ベライゾンコミュニケーションズ【VZ】はダウ30銘柄にも含まれる大手通信会社



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《2018年6月28日改訂》

ベライゾンコミュニケーションズの概要

ベライゾンコミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.)は、アメリカ合衆国ニューヨークに本社を置く、大手電気通信会社です。

従業員数は約18万人、売上高は1,260億ドル(2017年実績)、ダウ30銘柄にも含まれる米国を代表する企業の1つで、Verizonという社名は、「Veritas(ラテン語で真実)」と、「Horizon(地平線)」を合成したものです。

ベライゾンコミュニケーションズは、旧AT&Tの反独占訴訟によって分裂した地域電話部門「ベビーベル」の1つで1983年に設立された「ベル・アトランティック」が前身で、その「ベル・アトランティック」が1998年7月に、当時、非ベル系通信会社として最大級のGTE(ゼネラル・テレフォン・アンド・エレクトロニクス)を528億ドルで買収することを発表。2000年6月に規制当局の条件付き承認を得て買収が完了し、その際に新会社の名称を「ベル・アトランティック」から「ベライゾンコミュニケーションズ」と改め、現在に至っています。

2006年には、長距離通信事業者のMCIを67億ドルで買収。2013年には、ボーダフォンとの合弁事業であるベライゾン・ワイヤレスのボーダフォン保有株を1300億ドルで買い取って合弁を解消し完全子会社化。2015年には、インターネット業界の老舗AOLを44億ドルで買収。そして今年6月にはYahooを45億ドルで正式に買収するなど、矢継のM&Aを敢行して事業を拡大しています。



業績

売上は安定(横ばい?)しており、営業利益率はバラツキは見られますが10年平均で16.45%とまずまずの水準。粗利率は10年平均で59.80%と高い水準で安定しています。

ただし、営業利益、純利益(2008年には赤字)、EBITDAの数値は、年にごとのバラツキが大きく安定していません。

また、2017年に純利益が急増しているのは、税制改革によって繰延税金負債の再評価益を計上したことによるものです

※EBITDAに関しては2012年以前のデータを入れていません

営業利益率
企業の売上高に対する営業利益の割合のことで、企業の本業における収益性を判断する指標となります。
粗利率
「売上総利益率」とも言われ、企業の売上高に対して、粗利益が割合のことを言います。一般に粗利益率は、収益性や採算性を計る指標として、販売している商品・サービス等の利益率が高いかどうかをチェックする際に活用することができます。
EBITDA
金利、税、有形固定資産の減価償却費、無形固定資産の償却費を引く前の利益(Earnings)のことです。
EPSのバラツキは大きいです。2017年にEPSが大きく伸びているのは、先程もふれたように、税制改革によって繰延税金負債の再評価益を計上したことによって純利益が急増したためで、あくまでも特殊要因によるものです(特殊要因を除いたNon-GAAPベースの調整後EPSは3.74ドル)。

ROE、ROAは2008年~2012年までの間は低迷していましたが、2013年以降は改善傾向にあります。

EPS(一株あたりの純利益)
税引き後の年間利益を発行済み株式数で割った比率です。
ROE(自己資本利益率)
自己資本がどれだけ効率的に使われているかを見る指標で、高いほど収益力が高いといえます。
ROA(総資本利益率)
純資産+負債を含めたすべての資金(総資本)がどれだけ効率的に使われているかを見る指標で高いほど収益力が高いといえます。



CF(キャッシュフロー)

営業CFマージンは10年平均26.60%と非常に高く、営業CFのバラツキは気になりますが、しっかりとキャッシュは流入しています(2016年、2017年と営業CFマージンが下降気味なのが気になりますが…)。

しかし、営業CFの半分近くを常に投資CFが吸い上げてしまい、フリーCFの比率は低く抑えられてしまいます。同業のAT&Tを分析した際にも感じましたが、通信事業は設備の維持管理に莫大な設備投資が必要であり「入ってくるお金は多いけれど、出ていくお金も多い」ビジネスだと言えます。

営業CF(営業キャッシュフロー)
企業本来の営業活動(本業)により発生したキャッシュフロー(現金の流れ)です。
投資CF(投資キャッシュフロー)
企業の将来に対する投資により発生したキャッシュフロー(現金の流れ)です。
フリーCF(フリーキャッシュフロー)
企業が自由に使える資金。事業の拡大、債務の返済、配当などにあてられます。
営業CFマージン(営業キャッシュフローマージン)
売上高から、どれくらい営業CFを生み出したを判断する指標で、比率が高いほど収益性が高いといえます。



配当と配当余力


11年連続増配ということもあり、DPSは緩やかではあるものの伸びています。

しかし、この10年で配当性向は4回も100%を超えており(タコ配)、結構無理をして配当を捻出していることが伺えることから、今後の配当政策が気になるところです。

DPS(一株あたりの配当)
株主に還元される一株あたりの年間配当額です。
配当性向
税引き後の利益のうち、配当金の支払いに向けられる比率です。



バリュエーション(2018.6.28現在)

PER(実績):14.11倍
PER(予想):10.74倍

PER(株価収益率)
株価が一株あたりの利益の何倍になっているかを表す尺度で、株価が割高か割安かを判断する目安として利用されます。低い方が株価は割安と判断されますが、業種によって水準が異なりますので、同業種間や経営内容が似ている企業間での比較に用いるのに適しています。

PERには、予想PERと実績PERがありますが、予想PERとは今期の予想値を基に算出したもので、実績PERとは、直近の決算における実績値を基に算出されたものです。

PBR:4.01倍
PBR(株価純資産倍率)
1株当たりの純資産に対し、株価が何倍まで買われているかを表す尺度で株価が割高か割安かを判断する目安として利用されます。低い方が株価は割安と判断され、過去の同企業のPBRと比較して、現在の水準が割安であるか?を判断するのに役立ちます。

直近配当利回り:4.79%



まとめ

日本でもNTT、KDDI、ソフトバンクの3社が国内の通信市場のパイを奪い合っているように、米国では日本以上に、ベライゾンコミュニケーションズ、AT&T、T-モバイル、スプリントの4社が、国内の限られたパイを激しく奪い合っています。

このような状況のなか、ベライゾンコミュニケーションズの現状は、加入者の減少や激しい値下げ競争によって利益は削がれ、データー通信量の増加に伴ない莫大な設備投資を必要とするなど、財務諸表を見た感じでは、正直、投資対象としてはどうかな?というのが率直な印象です。

ベライゾンコミュニケーションズの経営陣もこのような状況に危機感を抱いており、AOLの買収やYahooの買収に見られるようにデジタル広告の分野において成長を図ろうとしています。

そして、これらの買収によってベライゾンコミュニケーションズはデジタル広告の分野においてGoogle【GOOGL】、Facebook【FB】に次ぐ3位の座を獲得しましたが、上位を占めるGoogleとFacebookは、ベライゾンコミュニケーションの遥か向こう側を走っています。

また、2015年からはモバイル映像ストリーミングアプリ「ゴー90」に2億ドル以上の出資をしましたが、こちらもNetflix【NFLX】やAmazon【AMZM】といった強力な競合の存在のためか、今のところ厳しい状況が続いているようです。

このような状況を勘案するとデジタル広告、メディア事業を成長軌道に乗せるのは至難の業ではないか…と思えますが、これら強力な競合と戦って、デジタル広告、メディア事業を成長軌道に乗せることができるかどうか?がベライゾンコミュニケーションズの今後を占う試金石になるのは間違いないと思われます。

私がベライゾンコミュニケーションズに投資した理由は、配当利回りの高さと、通信インフラは寡占市場で生活に欠かせないインフラだから、そうそう潰れないと考えたからです(浅はかなような気もしますが…)。

株価の伸びにを期待せず、インカムゲイン(配当収入)のみに的を絞れば、なかなか魅力的な投資先だと私は思いますが、現在の状況を見ると潰れはしないとしても、減配などは十分考えられますので、財務諸表には十分注意したいと思います。

それではFinancial Goalを目指して!challenge to Financial Freedom !

注意
投資にリスクは付きものです。
投資判断は自己責任であることを忘れないようにしましょう。



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