ベライゾンコミュニケーションズ【VZ】はダウ30銘柄にも含まれる大手通信会社



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《2017年11月24日改訂》

ベライゾンコミュニケーションズの概要

ベライゾンコミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く、大手電気通信会社です。従業員数は約18万人、売上高は1,259億ドル(2016年実績)、ダウ30銘柄にも含まれる米国を代表する企業の1つで、Verizonという社名は、「Veritas(ラテン語で真実)」と、「Horizon(地平線)」を合成したものです。

ベライゾンコミュニケーションズは、旧AT&Tの反独占訴訟の結果分裂した地域電話部門「ベビーベル」の内の1社で1983年に設立された「ベル・アトランティック」が前身です。「ベル・アトランティック」は1998年7月に、当時、非ベル系通信会社として最大級のGTE(ゼネラル・テレフォン・アンド・エレクトロニクス)を528億ドルで買収することを発表し2000年6月に規制当局の条件付き承認を得て買収が完了。その際に新会社の名称を、ベライゾンコミュニケーションズと改め、現在に至っています。

2006年には、長距離通信事業者のMCIを67億ドルで買収。2013年には、ボーダフォンとの合弁事業であるベライゾン・ワイヤレスのボーダフォン保有株を1300億ドルで買い取って合弁を解消し完全子会社化。2015年には、インターネット業界の老舗AOLを44億ドルで買収。そして今年6月にはYahooを45億ドルで正式に買収するなど、矢継のM&Aを敢行して事業を拡大しています。現在、米国の通信業界は、ベライゾンコミュニケーションズをはじめ、AT&T【T】、T-モバイル【TMUS】、スプリント【S】の4社が、激しく国内市場のパイを奪い合っており、ベライゾンコミュニケーションズは新たなビジネスとしてメディア企業への転換を図っています。

過去10年のチャート(2017.11.24)

10年前(2007.11.23)の株価が42.64ドルで現在(2007.11.24)の株価は47.10ドルと、この10年間で約10%ほど値を上げましたが株価の伸びはあまり感じられません。リーマンショックの影響で一時25ドル辺りまで値を下げましたが、その後、一時は56ドル辺りまで値を上げているので、株価自体はそこそこ動きがあります。米国を代表する株価指数「S&P500」「NYダウ平均株価指数」両指数と過去10年間のパフォーマンスを比較した場合、2014年以降のベライゾンコミュニケーションズのパフォーマンスは両指数をアンダーパフォームしています。同業のAT&Tもそうですが、キャピタルゲインを狙って買うような銘柄ではありません。

業績

売上は2016こそ前年を下回っていますが緩やかに伸びていて安定しています。粗利率も10年平均59.88%と高い水準で安定しており、営業利益率もバラツキは見られますが10年平均15.94%とまずまずの水準です。ただし、営業利益、純利益(2008年には赤字)、EBITDAの数値は、年にごとのバラツキが目立ち不安定です。

※EBITDAに関しては2012年以前のデータを入れていません

営業利益率
企業の売上高に対する営業利益の割合のことで、企業の本業における収益性を判断する指標となります。
粗利率
「売上総利益率」とも言われ、企業の売上高に対して、粗利益が割合のことを言います。一般に粗利益率は、収益性や採算性を計る指標として、販売している商品・サービス等の利益率が高いかどうかをチェックする際に活用することができます。
EBITDA
金利、税、有形固定資産の減価償却費、無形固定資産の償却費を引く前の利益(Earnings)のことです。
EPSもバラツキが大きいです。ROEは業績が極端に悪化している2012年を除けば比較的高い水準ですが赤字決算が含まれることからあまり参考になりません。ROAは、10年平均3.18%とパッとしない数値で年毎に見ていくと7.49%(2015年)から0.38%(2012年)とバラツキが非常に大きいです。
EPS(一株あたりの純利益)
税引き後の年間利益を発行済み株式数で割った比率です。
ROE(自己資本利益率)
自己資本がどれだけ効率的に使われているかを見る指標で、高いほど収益力が高いといえます。
ROA(総資本利益率)
純資産+負債を含めたすべての資金(総資本)がどれだけ効率的に使われているかを見る指標で高いほど収益力が高いといえます。

キャッシュフロー

営業CFマージンは10年平均27.34%と非常に高く、営業CFはバラツキは見られますが、しっかりとキャッシュは流入しています。しかし、常に営業CFの半分近くを投資CFが吸い上げてしまい、フリーCFの比率は低く抑えられてしまいます。同業のAT&Tを分析した際にも感じましたが、通信事業は設備の維持管理に莫大な設備投資を必要としているため「入ってくるお金は多いけれど、出ていくお金も多い」ビジネスだということです。

営業CF(営業キャッシュフロー)
企業本来の営業活動(本業)により発生したキャッシュフロー(現金の流れ)です。
投資CF(投資キャッシュフロー)
企業の将来に対する投資により発生したキャッシュフロー(現金の流れ)です。
フリーCF(フリーキャッシュフロー)
企業が自由に使える資金。事業の拡大、債務の返済、配当などにあてられます。
営業CFマージン(営業キャッシュフローマージン)
売上高から、どれくらい営業CFを生み出したを判断する指標で、比率が高いほど収益性が高いといえます。

DPSと配当性向


10年連続増配中ということもあり、DPSはよいペースで上がってきていまが、この10年の間に配当性向は4回も100%を超えていて、結構無理をして配当を捻出している感じがします。BPS(1株当たりの純資産)は2016年時点で5.02ドルとかなり薄くなっていることから、業績次第では今後も増配を維持できるかどうか微妙になりつつあります。

DPS(一株あたりの配当)
株主に還元される一株あたりの年間配当額です。
配当性向
税引き後の利益のうち、配当金の支払いに向けられる比率です。

バリュエーション(2017.06.30現在)

PER(実績):12.09倍
PER(予想):12.52倍

PER(株価収益率)
株価が一株あたりの利益の何倍になっているかを表す尺度で、株価が割高か割安かを判断する目安として利用されます。低い方が株価は割安と判断されますが、業種によって水準が異なりますので、同業種間や経営内容が似ている企業間での比較に用いるのに適しています。

PERには、予想PERと実績PERがあり、予想PERとは今期の予想値を基に算出したもので、実績PERとは、直近の決算における実績値を基に算出されたものです。

PBR:7.16倍
PBR(株価純資産倍率)
1株当たりの純資産に対し、株価が何倍まで買われているかを表す尺度で株価が割高か割安かを判断する目安として利用されます。低い方が株価は割安と判断され、過去の同企業のPBRと比較して、現在の水準が割安であるか?を判断するのに役立ちます。

直近配当利回り:5.01%

まとめ

日本でもNTT、KDDI、ソフトバンクの3社が国内の通信市場のパイを奪い合っているように、米国では日本以上に、ベライゾンコミュニケーションズ、AT&T、T-モバイル、スプリントの4社が、国内の限られたパイを奪い合っています。

このような状況のなか、ベライゾンコミュニケーションズの現状は、加入者の減少や激しい値下げ競争によって利益は削がれ、データー通信量の増加に伴ない莫大な設備投資を必要とするなど、財務諸表を見て分析した感じでは、正直、投資対象としてはどうかな?というのが率直な印象です。

ベライゾンコミュニケーションズの経営陣もこのような状況に危機感を抱いており、AOLの買収やYahooの買収に見られるようにメディア企業への転換を図ろうとしています。これらの買収によってベライゾンコミュニケーションズはデジタル広告の分野においてGoogle【GOOGL】、Facebook【FB】に次ぐ3位の座を獲得しましたが、上位を占めるGoogleとFacebookは、ベライゾンコミュニケーションの遥か向こう側を走っています。

また、2015年からはモバイル映像ストリーミングアプリ「ゴー90」に2億ドル以上の出資をしましたが、こちらもNetflix【NFLX】やAmazon【AMZM】といった強力な競合の存在のためか、今のところ厳しい状況が続いているようです。このような状況を勘案するとメディア事業を軌道に乗せるのは一筋縄ではいかないはずで、これら強力な競合と互角に戦い、メディア事業を軌道に乗せることができるかどうかがベライゾンコミュニケーションズの今後を占う試金石になりそうです。

私がベライゾンコミュニケーションズに投資した理由は、配当利回りの高さと、通信インフラは寡占市場で生活に欠かせないインフラだから、そうそう潰れないと個人的に考えたからです(浅はかなような気もしますが…)。

株価の伸びには期待せず、インカムゲイン(配当収入)のみに的を絞れば、なかなか魅力的な投資先だと思いますが、現在の状況を見ると潰れないにしても、現配は十分考えられるので、財務諸表には十分注意したいと思います。

それではFinancial Goalを目指して!challenge to Financial Freedom !

注意
投資にリスクは付きものです。
投資判断は自己責任であることを忘れないようにしましょう。



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