ロイヤルダッチシェル【RDS.B】は配当利回り5%超えの欧州石油メジャー



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《2017年11月15日改訂》

ロイヤルダッチシェルの概要

ロイヤルダッチシェル(Royal Dutch Shell plc)はオランダ・ハーグに本社を置く欧州最大のエネルギー会社で、第二次世界大戦後から1970年代までの間、世界の石油産業をほぼ独占状態に置いたセブンシスターズのうちの一社です。

セブンシスターズ
1960年代に結成されたOPEC(石油輸出国機構)が1970年代に主導権を握るまで石油産業をほぼ独占状態に置いた国際石油資本7社のこと。
・スタンダードオイルオブニュージャージー(後のエクソン)
・ロイヤルダッチシェル
・アングロペルシャ石油(後のBP)
・スタンダードオイルオブニューヨーク(後のモービル)
・スタンダードオイルオブカリフォルニア(後のシェブロン)
・ガルフオイル(後のシェブロン、一部BP)
・テキサコ(後のシェブロン)

エネルギー資源(石油・天然ガス)の探索、開発から精製、輸送、販売までの事業を垂直統合で一括に行っているほか、石炭事業、化学事業、原子力発電事業、金属事業など様々な事業を多角的に行っています。

2000年代に入ってからはクリーンエネルギーにも力を注ぎ、太陽光発電 、風力発電、水素プロジェクトなどの新規分野にも積極的に投資を行い、世界最大の洋上風力発電所の建設、トヨタ自動車との連携による水素ステーションの整備などのプロジェクトも着々と進行中です。

ロイヤルダッチシェルは「シェル」と「ロイヤル・ダッチ」が1907年に業務提携して「ロイヤルダッチ/シェルグループ」を形成したのが始まりで、そもそもは独立した経営体でした。

「シェル」の歴史は初代のマーカス・サミュエル氏が、来日した際に三浦海岸でみつけた貝殻の美しさに魅せられてロンドンに東洋の貝殻を扱う店舗を開店したのが始まりとも言われていて、その後、マーカス・サミュエル氏の後を継いだ息子らが石油事業に進出しボルネオ島での油田開発に成功。これが大きく成長し1897年にシェル・トランスポート&トレーディング社が設立されました。社名は、貝殻を販売していたことや出資者の家紋がヨーロッパホタテであったことにちなむと言われています。

かたや「ロイヤルダッチ」の歴史は、オランダ人ジャン・バプティスト・オーガスト=ケスラーが、オランダ領であった東インド諸島北スマトラのパンカランブランダン油田の開発を行う為、1890年にオランダ王室から採掘許可を受けて、オランダ領東インド石油開発会社を設立したのが始まりで、このような経緯で「シェル」と「ロイヤルダッチ」の石油事業は始まりました。

しかし、時を置かずして世界各地で絶大な力を誇っていたジョン・F・ロックフェラー率いるスタンダードオイル(現エクソンモービル)の脅威が「シェル」と「ロイヤルダッチ」に迫ります。

スタンダードオイルに対抗するために、「シェル」と「ロイヤルダッチ」の両社は、1907年にお互いの石油利権を確保するために業務提携を行い持株会社を設立。ロイヤルダッチが60%、シェルが40%を出資して、この持株会社の下に両社がぶら下がることになりました。この事業提携は、事実上の単一企業と看做されて2005年まで98年間続いてきましたが、2001年頃から傘下の油田の埋蔵量を下方修正するなどの財務上の問題が明らかになりはじめ、株主からのコーポレートガバナンス(企業統治)上の透明性向上の要求によって単一法人化を求める圧力が急激に高まり、2005年5月に両社は合併して、単一法人「ロイヤルダッチシェル」が誕生しました。

2015年にはイギリスの同業大手BGグループの買収を発表して翌年2月に手続きを完了。世界の液化天然ガス(LNG)市場におけるシェア20%とブラジルの高利益率の油田を新たに手に入れるなど、市況が厳しいなか積極的に事業改善に着手しています。

ロイヤルダッチシェルの株式を米国市場で購入する場合(ADR)、【RDS.A】【RDS.B】の二種類が存在しますが、【RDS.A】は「ロイヤルダッチ」の流れを、【RDS.B】は「シェル」の流れを汲みます。

両者の違いは、【RDS.A】はオランダ株扱いになり源泉徴収税が15%引かれますが、【RDS.B】は英国株なので源泉徴収税が引かれません。

過去10年間のチャート(2017.11.15現在)


10年前(2007.11.9)の株価が82.81ドルで現在(2017.11.15)の株価は65.84ドル。10年前と比べると株価は20%ほど下落していますが、このところは原油安も一息つき株価は復調傾向にあります。

米国を代表するS&P500、NYダウ平均といった株価指数と比較した場合、2012年以降のロイヤルダッチシェルのパフォーマンスは、S&P500、NYダウ平均の両指数に対して大きく劣っています。

業績

新興国経済の減速や中東産油国のシェールガス潰しによる原油安の影響から、近年の業績は目を覆わんばかりに悪化しています。しかし、ロイヤルダッチシェルはBGグループの買収に伴う債務増加や格下げへの対応などから、非中核事業の売却を積極的に進めており、強みである液化天然ガス(LNG)事業の拡大、生産の合理化とコストダウンを進めることで、2016年は黒字化を達成しています。

※EBITDAに関しては2012年以前のデータを見つけることができず記載していません。

営業利益率
企業の売上高に対する営業利益の割合のことで、企業の本業における収益性を判断する指標となります。
粗利率
「売上総利益率」とも言われ、企業の売上高に対して、粗利益が割合のことを言います。一般に粗利益率は、収益性や採算性を計る指標として、販売している商品・サービス等の利益率が高いかどうかをチェックする際に活用することができます。
EBITDA
金利、税、有形固定資産の減価償却費、無形固定資産の償却費を引く前の利益(Earnings)のことです。

2016年に少し上向きましたが、EPS、ROE、ROAどの数値も急激に悪化しており、このグラフからも現状の厳しさが伺い知れます。

EPS(一株あたりの純利益)
税引き後の年間利益を発行済み株式数で割った比率です。
ROE(自己資本利益率)
自己資本がどれだけ効率的に使われているかを見る指標で、高いほど収益力が高いといえます。
ROA(総資本利益率)
純資産+負債を含めたすべての資金(総資本)がどれだけ効率的に使われているかを見る指標で高いほど収益力が高いといえます。

キャッシュフロー

かなり厳しい資金繰りです。営業CFが年々減少するなか投資CFを縮小するも、フリーCFは2016年にはマイナスになってしまいました。債務増加や格下げ対応のために資産を売却しているのも、このキャッシュフローを見るば致し方ないと言えます。

営業CF(営業キャッシュフロー)
企業本来の営業活動(本業)により発生したキャッシュフロー(現金の流れ)です。
投資CF(投資キャッシュフロー)
企業の将来に対する投資により発生したキャッシュフロー(現金の流れ)です。
フリーCF(フリーキャッシュフロー)
企業が自由に使える資金。事業の拡大、債務の返済、配当などにあてられます。
営業CFマージン(営業キャッシュフローマージン)
売上高から、どれくらい営業CFを生み出したを判断する指標で、比率が高いほど収益性が高いといえます。

DPSと配当性向


2015年、2016年の配当性向を見て、「よくこれで減配せずに配当を出すことができるな…」と心から感心します。これが日本企業だとほぼ間違いなく無配になると思うのですが…

これだけ厳しい経営状況の中でも株主還元を続ける姿勢は只々感服するばかりです。

DPS(一株あたりの配当)
株主に還元される一株あたりの年間配当額です。
配当性向
税引き後の利益のうち、配当金の支払いに向けられる比率です。

バリュエーション(2017.11.15現在)

PER(実績):24.65倍
PER(予想):17.67倍

PER(株価収益率)
株価が一株あたりの利益の何倍になっているかを表す尺度で、株価が割高か割安かを判断する目安として利用されます。低い方が株価は割安と判断されますが、業種によって水準が異なりますので、同業種間や経営内容が似ている企業間での比較に用いるのに適しています。

PERには、予想PERと実績PERがあり、予想PERとは今期の予想値を基に算出したもので、実績PERとは、直近の決算における実績値を基に算出されたものです。

PBR:1.35倍
PBR(株価純資産倍率)
1株当たりの純資産に対し、株価が何倍まで買われているかを表す尺度で株価が割高か割安かを判断する目安として利用されます。低い方が株価は割安と判断され、過去の同企業のPBRと比較して、現在の水準が割安であるか?を判断するのに役立ちます。

直近配当利回り:5.71%

まとめ

私がロイヤルダッチシェルに抱くイメージは、F1レースです。1980年代後半、「音速の貴公子」アイルトン・セナと「プロフェッサー」アラン・プロストがドライブするマクラーレン・ホンダのマシンのノーズには、ロイヤルダッチシェルのシンボル「ペクテンマーク」が輝いていました。当時のマクラレーン・ホンダは圧倒的な強さを誇っていたので、そのイメージが今も鮮明に心に残っています。

そして、私が初めて日本株以外に投資をした記念すべき個別株もロイヤルダッチシェルです。

原油安の影響によって非常に厳しい経営状況ですが、ロイヤルダッチシェルで注目したいのは、非中核事業の売却を進めながらもBGグループ買収による液化天然ガス(LNG)事業の強化や世界最大の洋上風力発電所の建設、トヨタ自動車との連携による水素ステーションの整備など未来に向けた投資にも積極的に動いていることです。

シェルLNGアウトルック(2017)LNG市場戦略-経済産業省、などを読むと、ロイヤルダッチシェルが経営的に厳しい中、なぜBGグループを買収したのかが理解できます。

私は現在、ロイヤルダッチシェルとエクソンモービルの2銘柄でポートフォリオの10%程度持っており、当分は追加投資を考えていません。現状の経営状況や将来性を考えると、「配当利回りが高いという理由だけで投資するにはリスクが高い」と考えますが、だからこそ株価は低迷しているのであり投資する妙味があると思います。(ポートフォリオに占める割合を上げすぎるのは問題ですが!)

それではFinancial Goalを目指して!challenge to Financial Freedom !

注意
投資にリスクは付きものです。
投資判断は自己責任であることを忘れないようにしましょう。



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